ごあいさつ
お茶が持つ力を高め、人と社会の健やかな未来に貢献します。
株式会社 山英 代表取締役
山 崎 元 郷
株式会社山英は、安全・安心・健康を合い言葉にお茶づくりをすすめている産地(栽培農家)直結のメーカーです。弊社の社業によって、消費者・栽培農家・山英の三者が『元気』の正三角形を描き、それが広く社会に伝播拡大することを願っています。
そのために、つねに自然の循環に忠実でありたいと考えています。創業以来90年以上におよぶ土づくりの経験から開発した独自のSADAJI農法は、その解答のひとつです。SADAJI農法は、土壌の生態系を正常な状態に保ち、自然の地力を最大化しながら、茶の木を栽培することができます。この農法が実現する残留農薬の心配のない健康な土づくり・活力のある茶づくり、その道を弊社の考えにご賛同をいただいた農家の皆さまとともに歩んで行きたいと思っています。
お茶の飲まれ方は、時代とともに抹茶から煎茶へ、煎茶から緑茶ドリンクへと変化してきました。しかし、飲み方が変わっても、太古より人々が見出してきたその存在意義は変わらないのではないでしょうか。お茶と人間との長いつきあいの基となっているのは、一言でいうと精神的・肉体的な解毒だと思います。
精神的な解毒とは、お茶を飲むことでほっとするひとときが生まれ、ストレスを解消することから与えられる心のやすらぎです。また、お茶を飲みながら人と対面すると、そこに日本独特の間が生まれ、それが柔らかなクッションになります。この間の安心感も、精神的な解毒のひとつです。
肉体的な解毒作用については近年とみに社会で注目を集めていますが、これこそ先人たちによって、お茶が長く愛され続けてきたいちばんの理由です。弊社は先人の知恵を現代科学の視点で分析し、緑茶の栄養学的・理学的効能にいちはやく着目し、東京家政学院短期大学との産学協同体制による研究を推進いたしました。そこで発見したのが、お茶の効能を得るには、煎じて飲むより茶葉をそのまま食べた方が効果的である、という事実です。この成果は東京家政学院短期大学と弊社の共同名義で学会に発表したことにより、日本初の食用茶の開発に結実しております。『自信のある緑茶』シリーズに代表される食用茶は、緑茶関連食品に新たなジャンルを確立し、健康志向が強まる現代社会から広く注目を集めることとなりました。
また、そのまま口に入れる食用茶の開発をきっかけに、業界初のクリーンルーム化によって安全性を追求した農産物加工場を建設しました。安心へのさらなる願いから生まれたこの加工場は、平成10年に静岡県よりHACCP普及推進モデル事業所として指名されています。
人がよく生き、よい社会をつくるために、「食」はないがしろにできない分野です。弊社が「食」の分野の発展に役立てるとしたら、それは自然の力をたっぷりと蓄えた本物のお茶やお茶由来の食品を世に出し、次世代に残すことにほかなりません。お客さまや栽培農家の方々の声に耳を傾けながら、お茶との新たな出会いを積極的に提案し、これからも人と社会の健やかな未来のために貢献していきたいと考えています。