山英
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山崎英利のお茶語り 〈山英社長のコラム〉

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11. HACCPの導入 vol.2

弊社は茶業界の中でいち早くHACCPという衛生管理を導入しましたが、そのきっかけは必ずしも計画されていたものではありません。弊社が平成元年から東京の大学と食べるお茶の共同開発を始め、学会等への発表を重ねながら、平成4年に「食べるお茶」としての販売を開始したことは既に述べたとおりですが、その時に「飲むお茶」と「食べるお茶」の安全基準が同じではいけないと考え、この意識のもとに工場全体をクリーンルーム化した農産物加工場を竣工したことが弊社の自主衛生管理の始まりでした。従来のように飲むだけでなく、食べるなど広範囲な緑茶の利用提案を行なうことで新規需要を掘り起こし、茶業界を活性化することが必要なのですが、新しい提案にはそれに見合った製造上の安全基準があってしかるべきであるというのが私の考えです。

弊社が「食べるお茶」を販売するにあたり、とりわけ基準を厳しくしたのが残留農薬と大腸菌等の雑菌対策です。残留農薬の発生しない栽培体系を持つ茶畑の管理は農家の皆様の協力なくしては成り立たないので、「食べるお茶」については近年話題になっているトレーサビリティを20年以上前から実行していますし、毎年その畑で使用された農薬をはじめ、可能性のある230項目以上の残留農薬の分析も行なっています。しかもその分析は一般的な抽出液(お湯で淹れたお茶)ではなく、全量抽出(茶葉そのものの分析)とし、国の基準より10倍厳しい基準で安全性を確認しています。雑菌対策については、マイクロ波による殺菌処理後、大腸菌等による汚染がないように各工程を管理し、最終製品も含め合計4回にわたる細菌検査を行ない、自社規格による衛生基準に合格した製品のみを出荷しています。

ただこれをお読みくださっている皆様に誤解していただきたくないことがあります。たとえば残留農薬の問題に関して弊社の「食べるお茶」が全量抽出検査にこだわるのは、このお茶が"食べる"用途のお茶であるからです。緑茶の栽培に使用される農薬は太陽の光(紫外線)で毒性が分解されるものが大半で、水にはほとんど溶け出ません。従って従来の急須で淹れて飲むお茶は、抽出液検査で残留農薬が検出されなければよいはずです。雑菌についてもお湯を注ぐことにより熱湯消毒になりますし、カテキンが抽出されることによる殺菌効果も報告されているとおりです。弊社がこだわっている衛生基準は、それが直接口に入るものだからこそなのです。この違いを明確にし、皆様をはじめそれを伝えるマスコミの方々にご理解いただくことはとても重要なことです。

HACCPについては「トップダウンが鉄則」とするインストラクターが多くいらっしゃいますが、私の考え方は違います。HACCPは自社製品の用途に合った規格をもとに生産現場に視点を落として始めること、現場のスタッフの意識を常に啓発させる仕組みをつくること、このことが永くHACCPを継続していくために必要なことだと思いますし、永く継続することでHACCPの効果が投資費用を上回ることにもなります。まさに"継続は力なり"なのです。

最後に、今までのお話でご理解いただけたかと思いますが、茶葉を直接食べる用途でお茶をお買い求めになる場合は、衛生・品質管理の行き届いたメーカーのものをお薦めいたします。

2012年11月27日