山英
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山崎英利のお茶語り 〈山英社長のコラム〉

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15. SBSラジオ「石川美知子のあなたと語る食の原風景」での対談から VoI.2(2012年7月放送)

歴史的にも由緒があり、江戸時代から東海道五十三次の宿場町として栄えた日坂宿の上に、急峻な坂の続く小夜の中山峠という難所があります。小夜の中山峠は箱根峠・鈴鹿峠と並ぶ東海道の三大難所のひとつで、古来、西行法師や芭蕉など多くの文人によって歌や句が詠まれています。夜になると泣くという伝説のある「夜泣き石」も有名で、遠州七不思議のひとつに数えられています。名物は子育飴です。久延寺の和尚が母親を殺されひとり取り残された子を飴で育てたという伝説から子育飴といいます。その当時の飴は麦芽から作られました。子育飴はもち米と麦芽から成る麦芽糖を煮つめた水飴で、砂糖や添加物は使われていません。そのため、どちらかといえば甘くはありませんが、自分たちが子どもの頃から慣れ親しんだ自然な甘味、弱めだけれど後を引く甘さを感じます。

また自分が子どもの頃は、お茶といえば茎茶ばかりを飲んで育ちました。茎茶はどちらかというと生産者側の飲み物というイメージがありましたが、茎茶自体甘味を多く持っていますし、逆に言えば苦味渋み成分が少ないので、普通のお茶よりも気を遣わずに淹れておいしく飲めるという性格があります。東京でも昔は雁ヶ音(かりがね)といって茎茶を売っているところはありました。玉露や高級な煎茶の茶葉から作られた茎茶のことを特にこう呼び、水色(すいしょく)は薄いもののさわやかな味と香りがあり、またアミノ酸が多く含まれる部位であるため旨味が強いのも特徴といわれています。それでも茎茶はまだまだ下級品というイメージがあります。

茎茶を焙煎してほうじ茶が作られる場合もあります。茎ほうじ茶としては特に石川県の加賀地方で作られる加賀棒茶が有名で、葉のほうじ茶にはない独特の香ばしさが特徴です。加賀焙じの文化といいますか、庶民的なものからこだわりの最高級品まで棒茶は広く定着しています。

その人によってお茶の好みはさまざまですが、お茶の業界でB級グルメをやるとしたら茎茶がよいと思います。

2014年1月11日